はじめに知っておきたい!変形性股関節症の「痛み」の原因。

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変形性股関節症 原因

変形性股関節症と診断された方の中には「股関節の痛みだけでもなんとかしたい」「少しでも痛みを緩和したい」と思い、さまざまな治療法を試した人もいるのではないでしょうか?

筋力低下が原因と言われれば筋トレやストレッチ、骨盤の前傾や歪みが原因と言われれば整体やカイロプラクティックなど…

いったい何が痛みの本当の原因なのかわからずに治療を続けても迷うばかりで痛みはなくなりません。

結論から言うと骨の変形=痛みの原因ではありません。

ここでは、変形性股関節症の「痛み」の原因をご紹介します。

変形性股関節症の痛みの本当の原因を知り、迷いや不安をスッキリさせたい方は最後までお読みください。

1. 変形性股関節症とは?

変形性股関節症とは一言でいうと股関節に発症する変形性関節症のことです。

ただし、どの程度が変形というのか、どんな状態を変形性股関節症と呼ぶのかなどは明確に決まっていません。

正確には、変形性股関節症という症状には世界共通の明確な定義(診断基準)がないということです。

1-1. 変形性股関節症の診断上の分類

変形性股関節症には世界共通の定義(診断基準)がないので、それぞれの国の診療ガイドラインに沿って診断されます。

変形性股関節症と診断された場合には2種類の変形性股関節症に分類されます。

それは、原因が特定できない「一次性変形性股関節症」と、画像検査(X線)などで原因が特定できる「二次性変形性股関節症」です。

  • 一次性変形性股関節症
    画像所見などで股関節の異常が見られず、原因が明らかでない変形性股関節症のことを一次性変形性股関節症いいます。
  •  二次性変形性股関節症
    原因となる疾患が明らかな変形性股関節症を二次性変形性股関節症といいます。

1-2. 変形性股関節症の特徴

欧米では変形性股関節症患者の大半(約50~60%)が原因の明らかでない一次性変形性股関節症です。

それに対して日本では、主に臼蓋形成不全、発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)を原因疾患とする二次性変形性股関節症がほとんど(約90%)です。

遺伝、生活習慣の違い、骨格の違い…など言われていますが、そもそも診断基準が違うのだから当たり前とも言えます。

ある国で一次性変形性股関節症と診断されても他の国では二次性変形性股関節症、または、ちがう診断名になる可能性もあるということです。

1-3. 変形性股関節症の診断基準(ACR基準)

変形性股関節症の診断として有名なものにアメリカリウマチ学会(ACR)の診断基準(ACR基準)があります。

1. 大腿骨または、臼蓋の骨棘(こつきょく)形成

大腿骨(太ももの骨)や臼蓋(骨盤側の大腿骨を受ける骨)にトゲのような突起ができること。

2. 関節裂隙の狭小化

 大腿骨(太ももの骨)や臼蓋(骨盤側の大腿骨を受ける骨)の隙間が狭くなること。

3. ESR(赤血球沈降速度)が20㎜/h未満

血液検査を行い、炎症による病気を除外するための基準値。つまり、変形性股関節症は炎症によるものではない(非炎症性)ということ。

股関節の痛みがあり、上記の3項目のうち2項目を満たすものが変形性股関節症と診断されます。

簡単に言うと、変形性股関節症とは股関節に痛みがあり、大腿骨と臼蓋骨に異常(骨棘)がある、または、隙間が狭くなる非炎症性のものということです。

その他の特徴に、発症年齢は平均40〜50歳。男性よりも女性の方が多い。などがあります。

2. 変形性股関節症の原因

変形性股関節症の原因(とされているもの)にはさまざまなものがあります。

真偽は別として主なものをまとめてみました。

2-1. 変形性股関節症の原因 発育性股関節形成不全

発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)とは、新生児〜乳幼児期に股関節が脱臼する(外れる)疾患です。

  • 発症率は出生数の約0.2%
  • 原因:オムツのあて方、形状や抱っこの仕方、スリングの使用など
  • 女の子に多い

2-1. 変形性股関節症の原因 臼蓋形成不全

太ももの骨(大腿骨)を受けている骨盤側の骨(臼蓋)のかぶりが浅い状態のことを言います。

  • 乳児期の臼蓋形成不全は自然に改善すると言われている。
  • 脱臼が原因で臼蓋形成不全になるという説と、臼蓋形成不全があるから脱臼するという説がある。

変形性股関節症、発育性股関節形成不全、臼蓋形成不全の共通点は男性よりも女性の方が発症率が高いということです。

このことを根拠にして考えれば、女性に多い発育性股関節形成不全や臼蓋形成不全が進行した結果、変形性股関節症になるということです。

変形性股関節症という診断名が、見た目(画像上)だけの診断名であれば発育性股関節形成不全や臼蓋形成不全が原因といえるかもしれません。

しかし、画像所見(X線)に異常があっても、必ずしも股関節の痛みと一致するわけではありません。

2-3. 変形性股関節症の原因 女性・出産

  • 男性に比べて筋肉量が少ない。
  • 男性よりも女性の方が股関節がゆるい。
  • 出産による骨盤(仙腸関節)の歪みやズレ。

これも、変形性股関節症は男性よりも女性の方が発症率が高いという根拠に基づいて考えられた原因です。

逆に考えると、変形性股関節症の男性は一般的な女性よりも筋肉量が少ない、または、股関節がゆるいのでしょうか?もちろん男性に出産はできません。

変形性股関節症は出産経験のない女性の方にもみられますから出産=変形性股関節症の原因ではありません。

2-4. 変形性股関節症の原因 軟骨の磨耗

  • 股関節の軟骨が磨耗して股関節の隙間が狭くなる。
  • 磨耗により剥離した軟骨による炎症。

太ももの骨(大腿骨)と骨盤側の骨(臼蓋)の間にある軟骨がすり減って、骨と骨の隙間が狭くなる、骨と骨がぶつかることで股関節の変形や痛みがおこるというものです。

軟骨が磨耗する原因は軟骨への負荷、老化と言われています。

軟骨の磨耗が長年の負荷や老化によるものであれば、軟骨が磨耗するのはむしろ自然(正常)と言えるでしょう。

ちなみに、股関節の軟骨の厚さは2〜4mmです。

そして、骨や軟骨は痛みを感じることができません。

剥離した軟骨による炎症というのはよくわかりませんが、炎症が痛みや変形の原因ということでしょうか。

変形性股関節症は非炎症性の疾患なので炎症が原因というのは当てはまりません。

2-5. 変形性股関節症の原因 股関節への負荷

  • 肥満
  • スポーツ
  • 職業(重量物の作業従事者)など

これらは、一次性変形性関節症の原因として考えられているものです。

ただし、変形性股関節症だけではなく、変形性膝関節症、腰痛などでも同じようなことが言われています。

現在、腰痛の分野では、肥満・スポーツ・職業(重量物の作業従事者)などの体への負荷は痛みとは無関係であるという結論がでています。

2-6. 変形性股関節症の原因 筋力低下

  • 筋力低下

筋力の低下が変形性股関節症の原因と言われることがあります。

筋力の低下が原因であれば筋トレやジョギングなどの運動療法が有効になります。

しかし、実際にはジョギングなどの運動中に痛くなった人も多勢いるわけです。

痛くて動かせないから結果的に筋力が低下するだけで、筋力の低下が変形性股関節症の原因にはなりません。

筋力の低下が変形性股関節症の原因であれば、絶対安静後の人や宇宙飛行士は最も変形性股関節症になりやすいといえます。

2-7. 変形性股関節症の原因 その他

  • 外傷・脱臼・骨折などの後遺症
  • 老化現象
  • 遺伝
  • 大腿骨頭壊死
  • ペルテス症 など

他にもいろいろあると思いますが、これだけあれば何かひとつぐらいは当てはまることでしょう。

逆にこれだけあるということは「明確な原因がわかっていない」ということがわかっていただけたのではないでしょうか。

3. 変形性股関節症の「痛み」の原因

変形性股関節症で悩んでいる方は、診断名や画像上(X線・MRI)の異常を知りたいのではなく、股関節の「痛みの原因」を知りたいのだと思います。

画像上の異常を直したい訳ではなく、股関節の痛みや動きをなんとかしたいのです。

そして、長い間、変形性股関節症の痛みで悩んでいる方は、前述した原因を見ても納得していないと思います。

なぜなら、直感的、または経験的に痛みの原因は骨や軟骨などではないことを感じているからです。

3-1. 股関節の痛みと変形性股関節症の画像所見は一致しない

日本では変形性関節症の原因のほとんどが臼蓋形成不全ということになっています。

臼蓋形成不全というのは画像をみて判断する訳ですが、股関節の痛みを感じない人にも臼蓋形成不全の人はいないのでしょうか。

股関節痛と、変形性股関節症のX線検査の関係性を調査した研究によると、X線検査上の変形性股関節症股関節の痛みは必ずしも一致しないという結論がでています。

X線検査の画像上では変形性股関節症でも実際に股関節に痛みを感じる人は少ないという結果になっています。

Osteoarthritis Initiativeの4366人を対象とした研究

X線検査上で変形性股関節症と診断された患者のうち実際に痛みがある人(股関節)の割合

  • 鼠径部の痛みがある人(股関節):237関節中39関節(16.5%) 
  • 大腿前部の痛みがある人(股関節):157関節中24関節(15.3%)
  • 鼠径部または大腿前部の痛みがある人(股関節):323関節中52関節(15.8%)

Association of hip pain with radiographic evidence of hip osteoarthritis: diagnostic test study. – PubMed – NCBI

これは、X線検査の画像(骨の異常)だけを診て、変形性股関節症かそうでないかを診断した調査研究です。

画像上で変形性股関節症であっても実際に痛みがある人(股関節)は15~16%にすぎません。(他の946人を対象とした調査では最大でも36.7%)

診断上は、股関節に痛みがあり画像所見で骨の異常があれば変形性股関節症と診断されます。

しかし、画像所見と症状が一致する人の方が少ないということは、変形性股関節症の痛みの原因=骨の異常ではないということになります。

3-2. 変形性股関節症の痛みに共通するキーワードとは?

股関節が痛くなる人にはある共通点があります。

それは、一言で言うと筋肉の緊張です。

ここでいう筋肉の緊張とは、筋肉に無意識に力が入っている状態、自分では力が抜けない状態のことを言います。

極端な言い方をすれば、筋肉の一部が動かない、筋肉が収縮し、硬くロックしている状態です。

ロックして動かない筋肉を無理に動かそうとしたり、負荷や刺激を与えれば体は拒絶します。

その拒絶のサインが痛みです。

痛みの強さや、痛くなる場所が変わるのは骨の変形や軟骨の磨耗が原因ですか?

痛みがあるのは骨の変形や軟骨が磨耗しているところだけですか?

階段を昇るときだけ痛くて、降りるときに痛くないのはなぜですか?

筋肉に注目してみると、変形性股関節症の謎が少しずつ解けてきます。

3-3. 変形性股関節症の痛み

変形性股関節症は主に股関節(足の付け根)が痛くなります。

一口に股関節といっても痛くなる場所も人それぞれ違い、鼠径部(前側の足の付け根)が痛くなる人もいれば臀部(お尻)が痛くなる人もいます。

さらには、太ももの内側や外側、膝、腰、足の先まで痛みを感じる人もいます。

このような人は股関節だけではなく、膝や足首、腰などの骨にも異常があるのでしょうか。

股関節の骨の隙間や形だけを見ていては「痛み」を説明することはできません。

変形性股関節症の痛みの原因を骨の異常、遺伝、老化現象であるとすれば、あきらめる。手術をする。現状を維持する。という選択肢しかありません。

しかし、実際には、変形性股関節症を克服してフルマラソンに出場した方や、旅行や趣味のゴルフなどを楽しんでいる方は多勢います。

あなたはどちらを選びますか?

視点(見方)を変えれば未来も変わります。

変形性股関節症と診断されたからといって絶対にあきらめないでください。

骨の異常=痛みの原因ではありません。

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