変形性膝関節症の原因と症状を改善するための5つのステップ

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変形性膝関節症の基礎知識

40歳以上の方が膝が痛くなったり膝に水が溜まって病院に行くと高確率で「変形性膝関節症」と診断されます。

最近では、30代で膝が痛くなり変形性膝関節症と診断されることも珍しくありません。

ここでは、グルコサミンやコンドロイチンを試したり、運動を始める前に知ってほしい変形性膝関節症の原因と症状を改善するために必要な基礎知識をご紹介します。

目次

1. 変形性膝関節症とは

2. 変形性膝関節症の2つの原因

3. 変形性膝関節症の症状

4. 変形性膝関節症の治療法

5. 変形性膝関節症を改善するために

6. 変形性膝関節症を改善するための5つのステップ

 

1. 変形性膝関節症とは

変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減ることにより膝関節が変形し、痛みや腫れ、水がたまるなどの症状をきたす状態のことを言います。

日本ではX線診断による画像所見上の患者数が約2,500万人以上、そのうち約3割の人が痛みなどの自覚症状があると言われています。

また、男性よりも女性に多く、高齢になるほど発症率は高くなります。

しかし、逆に考えると、画像所見で変形性膝関節症と診断された人の約7割が無症状ということになります。

軟骨や骨の異常=変形性膝関節症の原因とするのは無理があるのではないでしょうか?

後述しますが、画像上で軟骨や骨の 異常が見つかったとしても必ずしも症状と一致するわけではありません。

変形性膝関節症になりやすい人の特徴

  • 男性よりも女性に多い(1.5〜2倍)
  • 高齢になるほどなりやすい(40歳以上の約6割)
  • BMI(肥満度を表す体格指数)が高いほどなりやすい

注:BMIの計算式 BMI=体重kg÷(身長m×身長m)
例:身長180cm、体重75kgの人
BMI=75÷(1.8×1.8)
=75÷3.24
=23.1…

2. 変形性膝関節症の原因

変形性膝関節症は原因が明らかでない一次性変形性膝関節症と怪我や病気など、原因が明らかな二次性変形性膝関節症の2つに分けられます。

変形性膝関節症の多くは原因が明らかでない一次性変形性膝関節症です。

2−1. 一次性変形性膝関節症の原因とされているもの

  • 遺伝
  • 加齢
  • 肥満
  • 筋力の低下
  • 膝への負担
  • O脚など

2−2. 二次性変形性膝関節症の原因

  • 外傷による骨折や靱帯損傷
  • 半月板損傷
  • 反復性膝蓋骨脱臼
  • 大腿骨内顆骨壊死
  • 関節リウマチ
  • 痛風
  • 化膿性関節炎など

注:ここでは一次性変形性膝関節症を変形性膝関節症として表記します。

3. 変形性膝関節症の症状

変形性膝関節症の症状は、膝の痛みだけでなく、膝の動きの制限や、外見上の変化などが現れてきます。

3−1. 膝の痛み

  • 椅子から立ち上がるときや歩き始めなど、動き始めに痛みを感じる
  • 痛くなる頻度が多くなり、階段を下る時など膝に負荷がかかると痛くなる
  • 主に膝の内側を押すと痛みを感じる

3−2. 膝の動き

  • 膝に水がたまって腫れぼったい、重だるい、曲げにくいなどの症状がでる
  • 膝を伸ばしたり、曲げたりすることが制限され、しゃがんだり、正座をすることができなくなる
  • 膝が不安定になり、歩くとぐらついたり、骨がゴリゴリ鳴ったりする

3−3. 外見上の変化

  • 膝の周りが腫れて太くなる
  • 膝が変形してO脚になる
  • 膝、首、背中を曲げて歩くようになる など

これらの症状がさらに進むと、歩行困難など日常生活にも支障がでてきます。

4. 変形性膝関節症の治療法

変形性膝関節症の治療法には大きく分けて保存療法と手術療法の2つがあります。

4−1. 変形性膝関節症の保存療法

  • 薬物療法:非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)
  • 関節内注射:ヒアルロン酸、ステロイド
  • 装具療法:足底板、サポーター、杖
  • 運動療法:筋力トレーニング、アクアビクス、エアロバイク
  • 物理療法:温熱療法、低周波、干渉波、経皮的末梢神経刺激(TENS) など

OAAS (米整形外科学会)が発表した変形性膝関節症治療ガイドラインでは、自己管理、筋力強化トレーニング、負荷の少ない有酸素運動、NSAIDsの服用などを強く推奨しています。

また、鍼、ラテラルウェッジインソール(外側が高く、内側が低い靴の中敷き)、グルコサミン・コンドロイチンの使用、ヒアルロン酸注射は推奨しないとしています。

変形性膝関節症の治療のための主な推奨事項

  • 膝関節症患者が自己管理プログラム、筋力強化トレーニング、負荷の少ない有酸素運動、神経筋教育を行うこと、および、米国身体活動ガイドラインに沿って運動することを推奨します。
    勧告の強さ:強
  • BMIが25以上の膝関節症患者には体重の減量を推奨します。
    勧告の強さ:中
  • 膝関節症患者に鍼を使用することは推奨しません。
    勧告の強さ:強い
  • 膝関節症患者にラテラルウェッジインソールは推奨しません。
    勧告の強さ:中
  • 膝関節症患者にグルコサミンとコンドロイチンを使用することは推奨しません。
    勧告の強さ:強
  • トラマドール、非ステロイド性抗炎症薬(経口または局所的なNSAID)を推奨します。
    勧告の強さ:強
  • 膝関節症患者に、関節内のヒアルロン酸注射は推奨しません。
    勧告の強さ:強

AAOS 米国整形外科学会.変形性膝関節症治療指針改訂版.2013

注:非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)は、長期服用による肝機能障害・腎機能障害・胃腸障害など副作用のリスクがあります。

グルコサミンとコンドロイチンには以下ようなの報告もあります。

変形性膝関節症、変形性股関節症の患者3803人を対象とする10試験を解析の結果、グルコサミン単独群、コンドロイチン単独群、グルコサミンとコンドロイチン併用群は、プラセボ(ニセ物の薬)群との比較で関節の痛みの軽減にも、関節腔の狭小化にも影響を与えなかった。

Wandel S, Jüni P, Tendal B, Nüesch E, Villiger PM, Welton NJ, Reichenbach S, Trelle S BMJ. 2010 Sep 16;341:c4675. doi: 10.1136/bmj.c4675.

4−2. 変形性膝関節症の手術療法

  • 関節鏡視下手術(デブリードマン)
  • 高位脛骨骨切り術(HTO)
  • 人工膝関節置換術 (TKA/UKA)
  • 骨軟骨移植術 (OCG)

手術療法には、可動域の減少(正座ができないなど)や感染症に感染するリスクがあります。

保存療法では改善しない人や、日常生活が困難などの一部の人に適応されます。

5. 変形性膝関節症を改善するために

5−1. 変形性膝関節症と画像所見

同じ変形性膝関節症でも、症状の現 れ方や進み方は人によって異なります。

画像上では膝関節の変形が相当進んで いるのに症状がほとんどない人、逆にひどく痛むのに変形がほとんど見られない人など様々です。

X線所見で変形性膝関節症の特徴がみられない710人の被験者(>50歳、女性55%、白人93%、この1ヶ月で膝の痛みがあった人29%、平均年齢62.3歳、平均BMI 27.9)にMRI検査を行った結果、「MRI画像上の異常(骨棘74%、軟骨損傷69%、骨髄病変52%)」が見つかった人は全体の89%であった。

年齢が高いほど,すべての「MRI画像上の異常」において「MRI画像上の有病率」が高かった。BMIの違いによる有意差はみられなかった。「MRI画像上の有病率」は膝痛の人90〜97%、膝痛のない人86〜88%と、両方で高かった。

Ali GuermaziJingbo NiuDaichi Hayashi,Frank W RoemerMartin EnglundTuhina NeogiPiran AliabadiChristine E McLennanDavid T Felson BMJ 2012; 345 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.e5339 (Published 29 August 2012)Cite this as: BMJ 2012;345:e5339

これは、膝の痛みと画像所見は必ずしも一致せず、膝痛のない人でも(86〜88%)に何らかの変形性膝関節症の特徴(MRI画像所見)がみられるということです。

  • 膝が痛くない人でも、MRI所見上では86〜88%に異常が認められた。
  • 年齢が高いほど「MRI画像上の有症率」は高くなる。
  • BMI(肥満度)と「MRI画像上の有症率」は特に関連性がなかった。

軟骨や骨の変性は体重とは関係なく、年齢とともに誰にでも起こりえる老化現象です。

軟骨や骨の変性=痛みの原因ではない。と考えるのは飛躍しすぎでしょうか?

軟骨や骨の変性≠痛みの原因と考えると、なぜ、膝関節に負荷をかけ軟骨がすり減るはずの運動療法に効果があるのかという素朴な疑問も解決します。

5−2. 変形性膝関節症を慢性化させる原因

変形性膝関節症による膝の痛みは、歩くという人間の基本的な動作に影響を及ぼします。

変形性膝関節症の症状の一番の問題は、軟骨や骨の異常ではなく、痛みです。

膝の痛みによる弊害は、活動の低下、筋力の低下、可動域の減少、体重増加などに影響し、悪循環を繰り返します。

慢性疼痛の悪化サイクル

慢性疼痛の悪化サイクル

誰でも膝が痛いときは動きたくありません。

問題は、痛みに対する不安や恐怖から過度に行動を制限してしまうことです。

長期間の安静後にリハビリが必要なように、体は動かさないと筋肉が固まって動かなくなります。(可動域の減少)

動かないと、筋力の低下や体重の増加を招きます。

そして、体力が落ちたり疲れやすくなれば、ますます動きたくなくなります。

同じ状態を繰り返していても膝の痛みは改善しません。

痛みのサイクルから抜け出すには、どこかで考え方と行動を変える必要があります。

6. 変形性膝関節症を改善するための5つのステップ

変形性膝関節症を改善するために必要なことを5つのステップに分けて順番に説明していきます。

STEP1. 変形性膝関節症を改善するための情報

変形性膝関節症を改善するためには正しい情報と知識が必要です。

何を正しいとするかは人それぞれですが、変形性膝関節症の原因も、治療法も明らかになっていないということは知っておいてください。

そのことをふまえた上で、自分に合った治療法を選択することが重要になります。

科学的根拠がある治療法だからといって全員が治る治療法はありません。

大切なことは、「科学的根拠」「自分の状況」「自分の価値観」「治療者の技能」をバランス良く考えて自分が納得できる選択をすることです。

STEP2. 変形性膝関節症を悪化させないために注意すること

変形性膝関節症を改善する前に、症状を悪化させないための行動が必要になります。

変形性膝関節症に限らず、慢性疼痛を悪化させる要因として、安静があります。

痛みに対する不安や恐怖心で安静にしている場合もあれば、軟骨のすり減りを心配して動かない場合もあるでしょう。

しかし、安静に寝ていれば治るという根拠はありません。

逆に筋萎縮や筋力の低下、体脂肪の増加を招くことになります。

痛みの許す範囲で日常生活を維持することが大切です。

STEP3. 変形性膝関節症を改善するための筋トレと運動

OAAS (米整形外科学会)の変形性膝関節症治療ガイドラインでは、筋力強化トレーニングや負荷の少ない有酸素運動を強く推奨しています。

日本でも大腿四頭筋を鍛えるスクワットやウォーキングを勧めています。

ただし、やり方を間違えると逆効果になる場合があります。

筋トレやウォーキングがきっかけで膝が痛くなった変形性膝関節症の人も多くいます。

これは、筋力強化を目的にすると失敗します。

目的は、膝関節周りの筋肉を動かすことにより萎縮した筋肉を緩めることです。

痛みのある場所の周りの筋肉は硬く緊張しています。

この筋肉を緩めることで痛みや動きが改善します。

痛みを我慢しながら行っても効果はなく、続きません。

変形性膝関節症のための筋トレや運動とは、筋力をつけるためのものではなく可動域を維持・改善するためのものと考えてください。

体を動かしながら軽いストレッチをしているイメージです。

STEP4. 変形性膝関節症を改善するためのストレッチ

膝が痛い、膝が曲がらない、伸びないを改善するためには、膝の周りの筋肉を緩めることが必要です。

具体的には、股関節、お尻、太もも、ふくらはぎ、足首、足の裏などの筋肉です。

わかりやすいようにストレッチと呼んでいますが、無理に筋肉を伸ばすことはせず、痛みのない範囲でゆっくり動かすというのが基本動作になります。

  1. リラックスした状態で椅子に座ります
  2. 膝の痛みのあるところに手をのせます
  3. 股関節、膝関節、足首の力を抜き、手で膝をゆっくり内外(左右)に動かします。ゆっくり呼吸をしながら痛みのでない範囲で膝を動かします。
  4. 同じように、膝に手を当てて、床につま先を着けたままゆっくり上下させます。
  5. 同じように、膝に手を当てて、床にかかとを着けたまま、つま先をゆっくり上下させます。

ポイントは、膝に負荷をかけない状態でゆっくり動かすことです。

ゆっくり呼吸することでさらに緩みやすくなります。

回数に決まりはありませんが20回/日くらいを目安に初めてみてください。

STEP5. 変形性膝関節症を改善するために

変形性膝関節症を改善する上で一番の弊害になるのは「一度すり減った軟骨は元に戻らない」「進行を遅らせるしか方法がない」といった言葉です。

受け取る側は「老化現象だからあきらめるしかない」「変形性膝関節症は治らない」と理解してしまいます。

「あきらめるしかない」「治らない」ということを前提に「やる気」や「希望」をもつことができますか?

変形性膝関節症で悩んでいる方は軟骨の減り具合なんかどうでもいいんです。

膝の痛みと動きをなんとかしたいんです。

画像ではなく症状を治したいんです。

軟骨や骨の変性=痛みではありません。

軟骨は元に戻らなくても膝の痛みや動きは改善することができます。

根本的に改善するには、痛みに対する不安や恐怖に打ち克ち、自分に合った健康法を選択し、実践することです。

痛みとは主観的なものなので、自分にしかわかりません。

どんな名医でもあなたの痛みを感じることはできません。

変形性膝関節症を改善する一番の名医はあなた自身です。

一日でも早くあなたの膝の痛みが回復することを願っています。

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