体の「痛み」を慢性化させる思考

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同じ生活をしていても痛くなる人と痛くならない人がいる。

同じ職場でも痛くなる人と痛くならない人がいる。

痛くなってもすぐに治る人、再発する人、慢性化する人がいる。

同じ人でも痛くなる時と痛くならない時がある。

食事、ライフスタイル、遺伝、性別、年齢などいろいろ調べてみても「痛み」の原因、再発の原因、慢性化の原因はわからないのであります。

いくら探しても「痛み」には物質的な原因、目に見える原因はないのです。

いわゆる、心因性の「痛み」、ストレスによる「痛み」と言われるものであります。

心因性やストレスによる「痛み」といえば何か特別な「痛み」のように思われるかもしれないが、逆に、心因性以外の「痛み」とは何でありましょう。

心の影響を全く受けない「痛み」も病も存在しないのであります。

「痛み」を慢性化させる思考

「痛み」、その他の症状というのは結果であります。

結果というのは原因があり、原因を結果に導くストーリーがあるのであります。

「痛み」の原因とは不安や恐怖といった感情、心でありストーリーとは不安や恐怖に導く思考プロセス、行動であります。

 

人にはそれぞれ思考の癖、性格というものがあり、過去の経験、信念、価値観などで形成、装飾されるのであります。

同じものごとに対して人によって感じ方、考え方、捉え方が違うのはこのためであります。

この思考、考え方が極端に偏った時、マイナス面に傾いた時に心の不調和となり、肉体の不調和になるのであります。

思考がマイナスの思い込み、固定観念などにより習慣化されれば「痛み」もまた習慣化、慢性化するのです。

認知行動療法の開発者であるデビッド・D・バーンズはこの思考の偏りを「認知の歪み」といい、思考の癖、思考の習慣を「自動思考」といったのであります。

「痛み」と認知の歪み(推論の誤謬)

認知とは物事をどう解釈し、どう捉えるかというプロセス、思考パターンのことであります。

私たちは、ある物事、事実に対して今までの知識、経験、信念、記憶、などをもとにして思考し、理解、解釈します。

この時、思考の偏り、選択の偏りがあると事実とは異なった認識を生みます。

特に、ネガティブな思考、マイナスの感情を生み出す思考パターンを「認知の歪み」というのであります。

「痛み」の原因は、不安、恐怖、怒り、悲しみといったマイナスの感情でありますから、マイナスの感情を生み出す思考パターン「認知の歪み」を知り、思考が偏らないようにすることも「痛み」を解決する一つの方法であります。

認知の歪み(デビッド・D・バーンズ)

1.全か無か思考(all-or-nothing thinking)

白か黒、勝ちか負け、0か100、成功か失敗、生か死という基準で考える二分法思考。

「いつも痛い。」

「痛みが完全に治らないと仕事ができない。」

2.過度の一般化(over-generalization)

一度か二度の体験をもとに結論を出し、これから起こる全てのものにも当てはまると考える思考パターン。

「重い物を持つと腰が痛くなる。」

「ハイヒールを履くといつも腰が痛くなる。」

3.心のフィルター(mental filter)

悪いこと、否定的なことばかりに意識が向き、善いことや明るいことが見えなくなる思考パターン。

「何をやっても少ししか良くならない。」

「良くなったことは一度もない。」

4.拡大解釈と過小評価
(magnification and minimization)

悪いこと、否定的なことを拡大し、自分のことをを過小評価する思考パターン。

「他の人に比べて治りが遅いのは自分の努力が足りないからだ。」

5.感情的決め付け(emotional reasoning)

感情を根拠にして物事を決めつける思考パターン。

「(不安や心配から)私の腰痛は治らない。」

6.マイナス化思考(disqualifying the positive)

善いことや何でもないことを悪いこと、否定的なことにすり替えてしまう思考パターン。

「今はたまたま痛くないだけだ。」 

「効果があっても一時的だ。」

7.結論の飛躍(jumping to conclusions)

事実の確認をせずに(根拠がないのに)悲観的な結論を出す思考パターン。

7-1.心の読み過ぎ(mind reading)

「医者が黙っているのは症状が思わしくないからだ。」

7-2.予測(先読み)の誤り(the fortune teller error)

「無理して動いたから明日はもっと痛くなる。」

8.すべき思考(should statements)

「~すべきだ」「~でなければならない」という固定観念。

自分で決めた価値観が絶対だと思い込む思考パターン。

「毎日ストレッチをしなければ腰の痛みは治らない。」

「自分は痛みに耐えて仕事をしているのだから周りはもっと優しく接するべきだ。」

9.レッテル貼り(labeling and mislabeling)

一側面、一部分を見て全てを決めつける思考パターン。

「腰痛持ちの自分はみんなに迷惑をかけている。」

10.個人化(personalization)

失敗を全て自分の責任(原因)として考える思考パターン。

「これだけ治療しても効果がないのは自分のせいだ。」

 

これらが「認知の歪み」の思考パターンであります。

程度の差こそあれいくつか当てはまるのではないでしょうか。

この中には、善い方向、プラスの方向に使用すれば素晴らしい結果をもたらす思考パターンもあります。

「認知の歪み」の思考パターンは、現在の思考の方向性をチェックするツールとしても有効であります。

 

「痛み」が慢性化するとどうしてもマイナスの感情、マイナスの思考に偏りがちになり、ものごとを客観的に観れなくなります。

マイナスの感情に偏った時に「気づく」ことができるか、偏る前に「気づく」ことができるかが大切であります。

そして、私たちの思考がプラスの方向に向いた時、希望と勇気が生まれるのであります。

「痛み」と心の曇り

「痛み」が長引けば長引くほどマイナスの感情に偏りがちです。

マイナスの感情に偏れば偏るほど「痛み」も長引きます。

「認知の歪み」とは心の鎖であります。

本来、思考、感情、心というものは完全に自由な存在であり、どう考え、どう思うかは自分次第なのであります。

自由である心を鎖で縛り、動けなくしている者は自分自身なのです。

 

本来、ものごとには善も悪もないのであります。

 

見る立場、見る状況、見る時期、見る方向、見る心によって同じものでも異なって見えるのであります。

「痛み」を最悪の事態と捉えて恐怖し、怒り、悲しむか、「痛み」を体や心の治癒作用と捉え感謝するかは自由であります。

しかし、肉体は心の作用の現れでありますから、ものごと、事象をどのように受け止め、どのように思考し、行動するかによって結果は変わってくるのであります。

結果というのは原因があり、原因を結果に導くストーリーがあるのであります。

心のフィルター、思考のフィルターが善であれば善い結果になり、悪のフィルターを通せば悪い結果になるのです。

思い込みが強く頑固な心、極端に歪んだ思考というものは硬く歪んだ肉体となって現れるのであります。

 

「認知の歪み」認知の偏りとは心の曇りでもあります。

悪いところばかり気になって善くなった事実を見ない心。

「痛み」を捉えて離さない心。

自分の治癒力、生命の力を過小評価する心。

自分に対する信頼、優しさ、親切心のない心。

これらは全て心の曇りであります。

地上からみれば曇っているように見える空も雲の上はいつでも太陽の光輝く青空であります。

心の曇りがなくなった時、そこには人間本来の生命の輝き、本来の健康が現れるのです。

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